6/17/2008

#9 


久しぶりに本を読んで泣いた。家に帰宅途中だったけれど、先が惜しくて結局電車のプラットフォームで最後まで読みふけり、公共の場所でほろほろと来てしまった。

舞台は上海。アート作品の買い付けをする主人公の深澤真紅が、その彼女の鋭い感性に魅了された中国の人々と繰り広げられる大恋愛物語。
そして、冒頭に登場する絵画の謎が、いくつかの#9というサインをヒントにスリル満点に明かされていく。
何と言っても真紅のアートへの情熱と思い切りのいい行動力に私もいつの間に魅了され、爽快感を覚えた。そんな彼女だからこそ、こんなシンデレラストーリーが描けたのかもしれない。

中国の現代社会やアート事情も鮮明に書かれており、キュレーターのマハさんだからこそ描けるリアルで興味深い世界がまた魅力。